スパイラル
ふとした瞬間、『あぁ、またここに戻っちまった』って感じる。
まるで季節がめぐるように…春が来て、夏になり、やがて実りの秋を迎えて、そして長い閉ざされた冬に戻る。
しかしながらそれも束の間、春の予感が訪れ、新芽が息吹きはじめる。
まるで自閉症の熊みたいに同じ所をぐるぐるぐるぐる、同じ景色を360°廻りめぐり続ける。
でもそれは決して虚しい事じゃない。断じて不毛な事ではない。
…だって、横からみてごらんよ、
確かに上昇してるから。
それはまるで螺旋階段のように、ぐるぐるぐるぐる、上昇していく。
多くのモノと出会い、別れ、手に入れ、失う。
けれどヒトは歩みを止めない。悲しくも卑しくも、昇り続ける。
その先のそのムコウを信じて。
想像してみて欲しい。
どこまで続くかわからない程、長い長い螺旋階段を延々と昇った果てに、扉があった。
その扉が開くとあなたの知っているヒトがいて、あなたに一言、『OOOO』と言った。
そのヒトと、その言葉を、どうか信じていよう。