公正さ、摂理、孤独
世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド〈下〉 (新潮文庫)
- 作者: 村上春樹
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 1988/10
- メディア: 文庫
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人は誰でも自身で限定したその枠組みの中で生命活動を営む。
それは自ずとなんらかの公正さをはらんでいる。なぜならそのルールによって個々のアイデンティティーは守られているからだ、その事象が形を変えた現象がポリシーであったりプライドであったりして、その枠組みの周囲を壁のように囲っている。そしてその中で大切な失くしたモノと再会し、過去と未来の自分と対話する。
それはとても社交的で閉鎖的なモノだ。
人はその繰り返しによって絶えず外界から情報や感動を吸収、排除し、摂理の下で自己を形成して保守する。
でも何故だろうな、時に孤独を感じる。それだけで充分満ち足りているはずなのに。
この前、『そういえばいつも一人だったな』と、ふと思ったような気がした。現実か白昼夢かわからない…実際いつも一人きりなんて事はないはずだ。でも何故か、そのスッキリとした空しさは覚えている。
自分を守る為に孤独になるのか、公正さを守るために孤独になるのか、あるいは孤独を守るために社交的に振舞うのか。
でもたぶんそれはそれで満ち足りているんだ。そうやって大切なモノを守り失い、生きていくんだ☆
だから唄だけは抱きしめていよう、すべてはそこに詰まっている。