公正さ、摂理、孤独

世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド〈下〉 (新潮文庫)

世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド〈下〉 (新潮文庫)

読み終えた。


人は誰でも自身で限定したその枠組みの中で生命活動を営む。

それは自ずとなんらかの公正さをはらんでいる。なぜならそのルールによって個々のアイデンティティーは守られているからだ、その事象が形を変えた現象がポリシーであったりプライドであったりして、その枠組みの周囲を壁のように囲っている。そしてその中で大切な失くしたモノと再会し、過去と未来の自分と対話する。
それはとても社交的で閉鎖的なモノだ。


人はその繰り返しによって絶えず外界から情報や感動を吸収、排除し、摂理の下で自己を形成して保守する。



でも何故だろうな、時に孤独を感じる。それだけで充分満ち足りているはずなのに。


この前、『そういえばいつも一人だったな』と、ふと思ったような気がした。現実か白昼夢かわからない…実際いつも一人きりなんて事はないはずだ。でも何故か、そのスッキリとした空しさは覚えている。


自分を守る為に孤独になるのか、公正さを守るために孤独になるのか、あるいは孤独を守るために社交的に振舞うのか。


でもたぶんそれはそれで満ち足りているんだ。そうやって大切なモノを守り失い、生きていくんだ☆



だから唄だけは抱きしめていよう、すべてはそこに詰まっている。